映画「ぐらんぶる」を見ての感想
2020年8月に上映された映画「ぐらんぶる」を「Amazon Prime」で見ました。監督はお馴染みの英勉氏。英勉氏はたくさんの様々なジャンルの映画を手掛けており、最近だと「映像研には手を出すな！」とか「東京リベンジャーズ」の映画監督もしています。原作があるものが多いですね。
映画「ぐらんぶる」の原作は「good!アフタヌーン」に連載されている漫画「ぐらんぶる」です。昨年の夏、劇場で上映されているのを知っていたのですがその時はバタバタして劇場で見ることができませんでした。
原作者は「井上健二」さん。作画は「吉岡公威」さん。井上賢二さんと吉岡公威さんはライトノベルに関係するのですがその事については後で紹介したいと思います。作品は「スキューバダイビング」を題材としています。ガチのスキューバダイビングというより、大学生の飲み会エピソードがかなり出てくるコメディタッチのコミックです。
私はこの原作コミックが大好きで、新刊が出るたびに購入しているくらい。
その映画化作品として期待！ 鑑賞しました。
映画「ぐらんぶる」ってどんな話？
映画「ぐらんぶる」は、主人公「北原伊織」が大学に入学するところで始まります。下宿先はおじの経営するダイビングショップ「グランブルー」。そこに居候することになりました。おじには二人の娘がいて、長女は古手川奈々華（強烈なシスコン）、次女「古手川千沙」（本作のヒロイン）の美人姉妹。他にも友人の今村耕平（金髪のイケメン、但し真正のアニメオタクかつ変態）、吉原愛菜（元ケバ子）が主なメンバー。他にはスキューバダイビング部の先輩や何人かのくずっぽい同級生と絡みあったり、飲み会（主にダイビングクラブPabだと主に脱ぎ）、そんな話です。
原作コミック「ぐらんぶる」って私のとても好きな漫画。
そんな私がこの映画を鑑賞した後、評価すると下の様になりました。
尚、あの名作映画「グラン・ブルー」とは縁もゆかりもありません。
映画「ぐらんぶる」おすすめ度合 ★３つ
面白いけど原作好きにはやや不満が残るかも・・・・
個人的な見解ですので、参考程度に。
面白いとは思いましたよ。しかし、いくつかちょっとなぁというところがありました。
・冒頭のシーンで主人公の二人が素っ裸で大学構内に放置されるシーンがしつこい。2回くらいなら面白いと思うけど流石に9回ってのは飽きます。
・その為にヒロインの千沙やダイビング部のメンバーたちに会うまで約27分を消費。
2時間で完結しなければならない映画ではこの繰り返し時間がもったいない。話が進まない上に飽きるし余り物語に寄与している訳でもない。さっさと進めた方が絶対に良かったと思う。因みに原作コミックを見直してみると繰り返しはありません。パンツいっちょで授業というのは2回ありますけど。叔父のダイビングショップ「グランブルー」について以後の記憶がないってのもちょっと不自然だし。
・ヒロイン達に原作の再現度をもう少し求めたい！ どうも千沙や愛菜のイメージが違う。髪型だけの問題ではないけど髪型を合わせるのはやっぱ難しいんでしょうか？
原作では千沙（演：与田祐希）と愛菜（演：石川恋）、浜岡梓（演：小倉優香）はミドルからショートヘアです。奈々華（演：朝比奈彩）だけがロングヘア―。
だけど映画中ではみんなロングヘア―。もちろん演じている女優さんには文句はありませんよ。みんな美女だし。だけどせめて髪の毛の長さと雰囲気だけは合わせて欲しかったな。
ついでに今村耕平（演：犬飼貴丈）は原作では金髪ロン毛。犬飼さんの演じる耕平は少しだけ茶髪気味の普通の長さ。耕平のイメージも結構違うように感じました。
・原作のエピソードを不自然に継ぎはぎ。原作のエピソードをところどころに散りばめています。だけど基本的に改変したストーリーに継ぎはぎしているので流れ的に不自然感が否めない。
以上の点で★３つとさせていただきました。
もちろん、「文句なく面白かったよ！」という方も沢山いらっしゃると思います。そもそも原作を知らないと気にならないかも知れません。2度めですが冒頭のTake9は流石にやりすぎだと思います。意図があまり分かりません。変なミステリー感はいらないでしょう。
原作コミック「ぐらんぶる」の原作者「井上賢二」さんって
2007年の「第8回エンターブレインえんため大賞」を「バカとテストと召喚獣」で受賞。同名のライトノベルがファミ通文庫から2007年から2015年の間出版され、アニメ化もされました。因みにイラストは葉賀ユイさんです。「学力試験の点数バトル」がテーマですが、基本的にドタバタコメディだったイメージがあります。主人公 吉井明久の周りにヒロインとして姫路瑞希や島田美波がいるんですが、そのヒロインを差し置いて木下秀吉（男性）が稀代の美少女として、「このライトノベルがすごい！」（宝島社：通称「このラノ」）の歴代男性キャラ人気ランキングで5年連続でTOP10入りという 偉業を成し遂げています。井上賢二さんはそんな多作ではなく、このほかの主な代表作は「ぐらんぶる」の原作者となります。（小説の傍ら設計士もしているらしいのでどちらかが副業かも知れません）
原作コミック「ぐらんぶる」の作画家「吉岡公威」さんって
いくつかのコミックの作画をメインにされています。その中には賀東招二さん原作、絵師なかじまゆかのライトノベル「甘城ブリリアントパーク」（通称：あまぶり）のコミカライズもされています。
賀東招二さんは私のもっとも好きなライトノベル作家の一人で「フルメタルパニック」（通称：フルメタ）の原作者です。
最近、吉岡公威さんはご自身で「てんぷる」を「コミックDAYS」で連載されています。お寺がテーマで美人3姉妹他、美少女数名の絡みありのコメディ漫画で、少し「ぐらんぶる」と雰囲気が似てないでもないですが、結構面白いので既刊６巻は全て購入して追っかけています。