【アフターストーリー】の傑作漫画『葬送のフリーレン』を読んで欲しい!

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映画「大怪獣のあとしまつ」は、暴れまわっていた大怪獣が突如死んだ後の物語(アフターストーリー)でした。
ドラマ「日本沈没」や「シン・ゴジラ」などで描かれた事件に関わる政治の場での各組織の勢力争い的なものがエスプリの聞いた演出で楽しませていただきました。
しかし!

もの足りなさを感じたんですよね。

なんでですかね。
ひとつはカタルシスにかけたところ。
私は映画でも小説でももっとも必要なのはエンディングに向けてのカタルシスだと思っています。
最後に感動でもどんでん返しでも、納得感が得られることで余韻に浸れる。そんなもんかと思っています。

もうひとつは
怪獣って何がいいかというと、つまるところはその圧倒的な巨大さによる物理的な破壊力だと思うんですよね。
せっかくの怪獣なのに、生きて動いているシーンが基本的になくて謎の光で突然死んだ。そんな映像のみです。
超巨大な怪獣が暴れて人々は恐怖に陥ったはずですし、特務隊もかなり大変なことがあったはずです。
その辺りの物語が振り返りの形でも描く必要があったと思うのです。


そう考えた時に自分の今、もっともはまっている漫画、コミックと比較してみて気づいたところがありました。

アフターストーリーの良さはセンターストーリーとのつながりを描けるところだと思うんです

私が考えるアフターストーリーの良さというのは、中心となる物語とアフターストーリーが有機的につながること。
この「大怪獣のあとしまつ」でいう中心となる出来事というのは「怪獣が暴れまわり、政府や特務隊、そのメンバーがその対処する中、起こった様々な物語」のことです。

もちろん「大怪獣のあとしまつ」にも、帯刀アラタと雨音ユキノ、雨音正彦の過去の逸話が出てきます。
でもそれは怪獣が暴れまわる中のストーリーではなく、三人と取り巻く過去の愛憎劇という形でした。

要するに何を言いたいかというと。

倒すシーンはなくてもどれだけ倒すのが大変だったか?(倒せないけど)
特務隊に絞ってもいいんでどんなドラマがあったのか?
人々にどんなに恐怖に陥れたのか?
怪獣が倒れてどれだけ人をほっと安心させたのか?

そういったことを描く必要があったのではないかな?と思う訳です。
当時の関東圏に住む人々にはコロナ以上の脅威だったはずです。

まあ、描きたかったのは主にエスプリの効いた政治と現場、それに関わる人々の物語だったんでしょう。
時効警察では単純に面白く感じたんですけど
やっぱり怪獣映画としての一面も期待したから物足りなさを感じたのかな。

アフターストーリーの傑作漫画「葬送のフリーレン」

アフターストーリーとして私が頭に真っ先に浮かんだのは、「週刊少年サンデー」で連載中で「このまんががすごい!2021」オトコ篇2位、2021年 マンガ大賞2021 大賞、このマンガが凄い!2022 オトコ篇6位を獲得した「葬送のフリーレン」です。(私も応募させてもらいました)
原作・原案:山田鐘人
作画:アベツカサ

ふたりともこの作品が最初の作品という訳ではないのですが、フリーレン以前にはあまり聞いたことのない作品が少々といったところ。
新人と思えないストーリーに引き込まれます。
究極の癒し漫画。

因みにWikiによると2021年3月時点でふたりとも一度もあったことがないそうです。
現代ならではのスタイルですよね。

左から「ハイター」、「フリーレン」、「ヒンメル」、「アイゼン」です。

「葬送のフリーレン」がアフターストーリーとして素晴らしいと思うところ

フリーレンが450万部以上の売上を上げ、これほどに人気がある理由を私なりに考えると下記の様な理由によると思います。

・絶妙にじわっとくる過去を絡めたストーリー
実はこういった理由でこんなことをしていたのか~って話が多くてそれが大体大事な人のことを思って行動してたりします。それが不器用な性格の為になかなかわかんなかったりして。そのストーリー展開が絶妙な妙味を与えるのです。
例えば勇者ヒンメルが各地に銅像を作ったのは、やがて死んでしまう自分たちの銅像を作ることで永遠に近く生きるフリーレンが寂しくないようにだったり。特にヒンメルの愛情をところどころに感じるのですが人間の心の機微に疎いフリーレンが気づくのはヒンメルが死んで29年たった後だったりするのです。

魔法戦闘が心理戦絡みで絶妙
JUNP系の様に派手な技や力の戦いというのもいいもんですが、「葬送のフリーレン」での魔法戦は心理戦だったり絶妙なんですよね。魔族との戦い、例えば腐敗の賢老クヴァ―ルとのでは80年封印していた意味というか、時間の経過の意味がきいていてすごいなと思いました。

妙になっとくさせる種族ごとの特性や背景
考えてみれば人間って意思や言葉が通じればお互い理解できるものって思ったりしますよね。その割に戦争は世の中から消えてなくならないし、ウクライナ問題(どうなるんでしょうね)でも理由は分かるものの本当に人間っていつまでたっても武力行使という発想から抜けられないものだと思います。
でも、フリーレンの中で魔族は言葉を話すものの徹底的に人間の敵です。魔族の言葉は被捕食者である人間を欺くためにあるのです。あんこうが生物を捕食する為に光をはなつのと同じなのです。絶妙なリアリティを感じます。

興味がわいた方は是非サンデー公式「葬送のフリーレン」PVを見て欲しい!

2分のPVでじわっとくる!

「葬送のフリーレン」のストーリーを超簡単に言うと

主人公のフリーレンはエルフです。その寿命はほぼ永遠? 
伝説的な1000年前の魔法の開祖フレンメ(人間)にフリーレンは魔法を習っていることから最低でも1000年は生きており、未だに少女の様な姿かたちであることからまだまだ寿命的には何千年も生きそうな感じです。
フリーレンは勇者ヒンメル(人間)、僧侶ハイター(人間)、アイゼン(ドワーフ)とともに10年の旅路の果てに魔王を倒します。

多くの人々に祝福されて凱旋した勇者一行。
50年に一度見ることができる「半世紀流星」をともに見た後、もう一度一緒に見ようと約束をしてパーティを解散します。
50年度再び再開した勇者一行ですが、ヒンメルとハイターはすっかりおじいさんになってます(当たり前ですが)。
(エルフほどではないにしても長命のドワーフであるアイゼンは全く見た目が変わらない)

その後、ヒンメルは亡くなります。
その葬儀の席でフリーレンはその長い寿命の中ではたった百分の1にしかならない取るに足りないと思われた10年の歳月がかけがえのないものであり、ヒンメルのことをほとんど知らなかったことに気が付きます。
フリーレンは魔法使いの少女フェルン、戦士シュタルクと死んだ人の魂に会うことができるというオイサーストを目指す度にでます。

超主要人物
ヒンメル
勇者。ヒンメルは子供の頃に一度フリーレンに会ったことがある。ってことは割と近いところに住んでいたと思われる。
かなりのナルシスト。偶像のポーズを決めるだけで1日をかけたりするが、自分たちの死後も生き続けるフリーレンのことを思ってだったりかなりのナルシスト。しかし、本人が言うように言動が男として結構イケメンだと思う。
フリーレンに恋心を抱いていた逸話が見られるが何も言わなかったんですね。
すでに死んでおり、作中で29年の歳月が経っているが魂に会える場所で是非再開して欲しい。
けどできるだけ長く続いて欲しいのでそれはまだ先のことでいいと思ってます。

フェルン
ハイターが引き取った孤児で現在のところフリーレン唯一の弟子で魔法使いの少女フェルン。(であったのは9歳くらいで15歳くらいで一緒に旅にでる。)実は最年少で三級魔法使いで受かるほどの天才少女。
結構怒りやすい。割と表情に出る。年頃の少女ということかな。

シュタルク
戦士アイゼンの弟子でシュタルク。すごいビビりやだが、実はアイゼンに恐怖を抱かせるほどの才能があるし、実際はかなり強い。割と自分はだめだというネガティブ思考がある。精神的に子供だと感じるところがあるが、町に行けば結構な人気者になる。


途中、僧侶ザイン(好きなのは大人の女性、酒、ギャンブル、たばこといった破戒僧)にそこそこ旅を一緒にします。
大人の男と言った感じ。実は天才級の僧侶。
下の画像は2巻の話なのでまだザインは不在。

左から、フェルン、フリーレン、シュタルクです。

ここまで「葬送のフリーレン」の良さをお伝えしてきました。
正直これだけでその良さを十分伝えることが出来ていないと思いますが、ファンタジーものが好きな方は是非進めです!
ともかく、いい話が多い。じわっとくる話の後に戦闘回とストーリーの流れもいい。最高です。

これだけの話なのでアニメ化の話がないのが不思議なほど。(あるのかな)
安易なアニメ化は望むところではないので、しっかりと作り上げて欲しいものです。
望むべくは、「京都アニメーション」、「ufotble」、「P.A.WORKS」あたりだと嬉しいです。

「異世界おじさん」も大好きな漫画の一つですが、また次回ということで。

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