「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 持続可能戦争」が11月12日から2週間の期間限定で上映中!さっそく見てきました!

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攻殻機動隊の最新映画が2021年11月12日より2週間限定で上映されています。
フルCGアニメーションってのは正直苦手なんですが、果たしてどうだったのでしょうか? 映画の感想と簡単な解説をしたいと思います。
それと「攻殻機動隊」そのものをご存じない方に「攻殻機動隊」を超ざっくり紹介します

まず、「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」って何でしょう?

攻殻機動隊」ってのは「士郎正宗」氏が原作の「攻殻機動隊 GOAST IN THE SHELL」というタイトル(ただしGHOST IN THE SHELL」は1巻のみ表記)の漫画コミック及びそれを原作とするTVアニメーションです。
現在の地球の歴史と異なるパラレルワールドで、大規模な核戦争「第3次核大戦」及び第4次非核大戦を経て2029年より始まります。
主人公は草薙素子、少佐と呼ばれています。彼女は全身義体のサイボーグ。頭の回転の速さ、判断力、電脳戦能力の高さ、戦闘能力(特にスピード)を武器に特殊チーム(SWATほど戦闘に寄っていない。時には暗殺さえこなす特殊チーム)のリーダーとなりその時々の敵と戦います。
チームのメンバーは草薙素子の下に特殊技能を持つ6人。上司は荒巻課長。階級の付け方は警察組織をイメージするといいのですが荒巻課長は大統領や総理とじかに話をするくらいの特殊な位置にいます。

それとパラレルワールド的には士郎政宗氏のもう一つの代表的著書「アップルシード」と同じ世界線上にあります。
今、期間限定で冒頭8分をyoutubeで配信されています。
でも、私が素晴らしいと感じたのは少し進んだ最初のポスト・ヒューマンとの戦闘シーンです。

https://www.youtube.com/watch?v=W3ZUbM2ELVw

ここで少しだけ「アップルシード」の話をしましょう。

アップルシード」は「攻殻機動隊」よりさらに時が経った2125年に勃発した第5次世界大戦(人類は何度も世界大戦をしてるんですね)後の世界、主人公の「デュナン・ナッツ」とその恋人「ブレアリオス・ヘカトンケイレス」(全身サイボーグ:どこかでみたけど人間だった時の姿はかなりかっこいいマッチョ)の二人は戦争が終わったことを知らずに逃亡生活をしていました。そこに大戦前から密かに作られていた人工島国家オリュンポス(ここの関係者は大体ギリシャ・ローマ神話の神様の名前を有している)から派遣されたヒトミ(人美)に戦争が終わったことを告げられて、内務省管轄のESWATに所属して対テロ戦作戦に加わり、色々あるっていう感じです。

「アップルシード」は「攻殻機動隊」の前の作品で書下ろしコミックでしたが、私は、この「アップルシード」って作品が大好きでした。士郎政宗氏の細かいこだわり(銃の握り方や出身がFBIかCIAかによる行動の違いだとか)が随所に描かれており次の巻が出るのが待ち遠しいくらいでしたが、大体年に1巻くらいしか出ません。3巻まででた時点でずいぶん時間が空いた記憶がなんとなくあります。
4巻が出た時点で4巻+データーブックとなりその後の凍結宣言とともに若干中途半端な状態のままおわった感じです。今からでいいので続きを出して欲しいものです。
攻殻機動隊はそれに続く形で出版されました。「アップルシード」の時にはこども心に書下ろしを年に一回出すだけで士郎政宗氏はどうやって生活しているんだろうと心配していたのでヤングマガジン海賊版の雑誌で掲載された時には少し安心した記憶があります。今だとWEBコミックという形態があるのでそんな心配をする必要はないんですけど。
実は「アップルシード」の前の作品で「ブラックマジック」というコミックもあります。
私は「ブラックマジック」「アップルシード」「攻殻機動隊」の全ての巻を持っているはずなんですが、引越しを繰り返しどこにあるのか不明。(捨てるはずはないので実家にあるのかも)

再び「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 持続可能戦争」の話に戻ります。

この世界で描かれるのは産業として計画されたサスティナブル・ウォー(持続可能戦争)が各地で繰り広げられている近未来です。そんな混沌とした世界に新たな脅威として現れたのが”ポスト・ヒューマン”。ポスト・ヒューマンはシンギュラリティ(技術的特異点)を超えた能力を持つ存在。彼らは世界をどのように変えていくのか。草薙素子たちは彼らに立ち向かっていく! ってな話。
「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045」シーズン1が2020年4月よりNETFLIXで全世界配信されています。今回の映画の大体8割くらいはシーズン1をなぞっています。普通こういった総集編的なものを映画化するとこれまでは単なるダイジェストを切り貼りしたもので本編をみていないと理解が追い付かないものが以前は多かった気がしますしかし、この映画ではとても構成が良くて全くその様なことはありません。これは監督の「藤井道人」氏がパンフレットのインタビューで言っていたことですが、始めて見た人が楽しめる様に15回以上編集をやり直して構成したとのことです。
実は私は「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 」シーズン1を見ていないのです。話を知っていると面白さが半減するので直前に予習するのも止めました。初見で見た私は凄く楽しめました。
ネットフリックスの「 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 」サイトリンクをこちらに貼っておきます。

用語解説を少し

「攻殻機動隊」っていうか、士郎政宗作品にはその時代の小難しい用語がたくさんでてきます。
子供の頃はそれも楽しかった一つなんですけどね。
もっとたくさんありますが、主だったものだけ

ここで「サスティナブル」「シンギュラリティ」といった人によっては聞きなれない言葉が出てきますよね。
一応書いておくと
サスティナブル:持続可能な。最近、凄く使われる様になった言葉。2015年に国連が採択したものにSDGsというものがあります。それは17の目標を2016年から2030年までの15年間で達成していこうという「目標で豊かさを守りながら、地球環境を守っていきましょう」というものでただ消費しつくすのではなくて持続可能な社会を目指しましょうということです。しかし、サスティナブル・ウォーって! 戦争に使うとはワードが斬新過ぎて違和感があるくらい!この違和感を狙ったものなのでしょうが。

シンギュラリティ:技術的特異点。汎用人口知能がの発展がある時点で人間の想像力を超える地点まで到達する(スーパーインテリジェンス)のではないかという考えがあり、その到達点を「シンギュラリティ」又は「テクノロジカル シンギュラリティ」と言います。レイ・カーツワイル博士の影響により2045年頃に到達するのではないかと言われており2045年問題とも呼ばれています。
因みにオックスフォード大学のレポートに「12 Risks That Threaten Human Civilization」というものがあり、10番目に挙げられている人類滅亡リスクとして人工知能が挙げられています。故ホーキング博士など著名な科学者も賛同していました。

「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 持続可能戦争 」おすすめ度合い ★4つ(特に初見の方に)

私はフルCGって苦手なんですよね、普通は。CGの人物ってどうしても人形みたいに見えるしゲーム的になるじゃないですか。髪の毛だって固まって見えるし、荒巻課長の頭だって光ってる。結局はアニメーションで描いたものに適わないと思う訳ですよ。やっぱり人物についてはそうでした。
でも考えてみれば、世界的に見れば日本人以外にはフルCGの方がいいのかも知れませんね。ジブリでもフルCGで描くくらいですから。
しかし、戦闘時における動きは凄まじく良かった!戦車であったり、ドローンだったり、フチコマだったり、バトルスーツの動きはCGの得意分野だと思いますが、凄くいい動きをしていました。
感動の動きです。人物の違和感をあまりあるものがありました。

こんな方におすすめ

アニメーションが好きな方
・近未来バトルアクション系の映画が好きな方
・特殊部隊の活動が見たい方
・特にフルCGでも気にならない方
・攻殻機動隊のシリーズが好きな方
(特に 「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 」初見の方)
・攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 のシーズン1をおさらいしたい方
・草薙素子のファンの方
・士郎政宗氏の作品が好きな方


逆に上記が苦手な方は面白くないかも
特にフルCGが苦手だという方や草彅素子のキャラデザに思い入れのとてもある方は気になるかも。でも草彅素子って素体を何度も入れ替えている設定だったと思います。そう考えたら気にならないかも知れません。

「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 持続可能戦争 」 映画鑑賞特典

なんとというか、最近のアニメーション映画はほぼ必ず入場特典があるのが嬉しいですね。
草薙素子のイラストが表紙と裏表紙に

草彅素子のキャラクターデザイン

今回の草彅素子を始めャラクターのデザインは「イリヤ・クブシノブ」さんというロシア出身のイラストレーターです。ゲーム会社でデジタルイラスト、モーションコミックの監督を務めて2014年に来日。映画「バースデー・ワンダーランド」(2019)でキャラクターデザインと美術設定を担当し多くの反響を呼んだとのことです。彼女は6歳の時に「GOAST IN THE SHELL/攻殻機動隊」に偶然巡り合ったのが最初。こういったファンがキャラデザをしてくれるのっていいですね。

さて、イリヤ・クブシノブさんのデザインした草彅素子は今までのデザインに比べ少々ロリっぽい。(「ALISE」ほどではないけど)
この「攻殻機動隊/GOAST IN THE SHELL」や「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」のデザインとの違いに抵抗感がある方もいるようですね。私は結構気にいっています。
なんかワールドワイドになった感じがするじゃないですか!

スタッフ・キャスト

草彅素子:田中敦子さん
荒巻大輔:阪脩さん
バトー:大塚明夫さん
トグサ:山寺宏一さん
イシカワ:仲野裕さん
サイトー:大川透さん
パズ:小野塚貴志さん
ボーマ:山口太郎さん
江崎プリン:潘めぐみさん
タチコマ:玉川砂記子さん

スタッフ
総監督、アニメーション監督:神山健司
アニメーション監督、メカニックデザイナー:荒巻伸志
監督:藤井道人

パンフレット評価 ★3つ

・イントロダクション
・キャラクター紹介
・ストーリー
・キーワード
・インタビュー(田中敦子)
・3DCG メイキング
・ライティングボード
・インタビュー(イリヤ・クブシノブ、戸田信子(音楽)×陣内一真、藤井道人(監督)、神山健治(監督)×荒巻信志(アニメーション監督)
・スタッフ・キャストクレジット
・商品紹介
減点の理由はもう少し攻殻機動隊の紹介をして欲しかった点、何と言ってもメカニックデザインがないというところです。メカニックデザインは欲しかった(重要なので2度言います)

「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 持続可能戦争 」
たった2週間の限定上映です! 見に行きたい方は見逃さないように!

最後に「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045 」への公式サイトへのリンクを付けておきますね。

それと現在、公開記念特番がBANDAI NAMCO Arts Channelで配信されています。