上映中映画「マトリックス リザレクションズ」を見ての感想。期待した通りかもしれないけど期待した以上でもなかった。昔の友人に会う感覚だと丁度いいかも。

SF映画,アクション映画キアヌ・リーブス,キャリー=アン・モス,タイムスライス,バレットタイム,マトリックス,マトリックス リザレクションズ」,押井守,攻殻機動隊

2021年12月17日に公開され、翌日には鑑賞したにも関わらず、ようやくブログにアップしました。
2022年には初心を思い出しなるべく翌日にはアップする方向で頑張ろう。ってすでに「キングスマン」もアップできていない状況。頑張ろう。

ところで、「マトリックス リザレクションズ」を鑑賞しての感想を一言でいうと表題の通り。
今作品は原点回帰であり、その点ではいいのかも知れないけれど過去の「マトリックス」シリーズを改めて復習している感覚の方が強いかも知れない。

VFX技術的にも初回を公開して20年近くの年月が流れて技術もかなり進化しているのだけど、1作目「マトリックス」でのVFX技術「タイムスライス」(作中ではバレットタイムと呼び直している)があまりにも画期的な技術だった為に今回は新技術的に驚いたというものでもなかった。
ストーリーでもその内包する哲学的ともいえるマトリックス世界でも改めてのサプライズはなく驚きもなかった。マトリックスシリーズの世界観はすでにその構造がほぼ三部作で出来上がっているということなのでしょう。
キアヌ・リーブスやキャリー・アン・モスのアクションは健在で素晴らしいものだった。あれから随分時が経って肉体的な衰えがあるに違いないにも関わらずその気配さえ感じさせないのはキアヌやキャリー=アン・モスのプロとして素晴らしいところ。
結局、1作目の「マトリックス」があまりにも衝撃的だった為に「マトリックス リザレクションズ」に対する期待が大きすぎたのだろうと思う。
2022年1月7日から「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」はかなり評判が高いようです。

マトリックス リザレクションズパンフ

映画「マトリックス リザレクションズ」お勧め度 ★3.5です

お勧め度は鑑賞する目的によるんじゃないかな。
私の場合「マトリックス」の初回を上回る期待をしてしまったから、少々残念な気持ちになってしまった感があります。
しかし、3部作を懐かしむっていうか、昔の友人に再び会う感じでいくともっと評価を上げてもいいかも知れない。
そう、私の中では今、そういう感覚で評価しています。そういった鑑賞目的でいえば★4つかな。

こんな方にお勧め

・アクション映画が好きな方
・SF映画が好きな方
・キアヌ・リーヴスやキャリー=アン・モスなどお目当ての俳優がいる方
・なにより「マトリックス」シリーズを改めてみたい方(懐かしむ感覚)
・マトリックスシリーズをそもそも見たことがない人で興味がある方

逆に
・マトリックスの新たな展開に期待しすぎても、衝撃的なVFXに期待し過ぎてもだめかも知れません。


映像化して20年近くの歳月が流れています。
ツイッターのFFの方の話だったかな。
この映画「マトリックス リザレクションズ」を親子で見に行った方がいました。
親の方は懐かしむ感覚だったかも知れませんし、お子さんの方は新作映画といった感覚かも知れませんが、ガンプラを親子で楽しむ感覚の様に世代を超えて共通の話題で話ができるのを凄く素晴らしいことだと感じました。

映画「マトリックス」で衝撃だったVFX技術「タイムスライス」(バレットタイム)

「タイムスライス」とは、俳優が止まっている中、視点だけが動いていく技術で私が始めて見たのは映画「マトリックス」の初回作品です。映画の冒頭でトリニティがふわっと鶴の型で浮かぶシーンです!
技術を発案したのはイギリスのティム・マクミランという方。彼はこの技術を使った映像会社「タイムスライス社」も立ち上げているようです。
この技術については、もう少し詳細を『映画「マトリックス リザレクションズ」(The MATRIX Resurrections)公開! マトリックスを復習してみる』で書いているのですが、一言でいうと俳優の周りにカメラを数十台固定して高速で撮影しそれをつなげる技術で言ってしまえばかなりアナログな技術の応用でした。
こんな映像を取りたいという一念からアイデアを生み出したティムさんも大したものですし、映画に応用したラリー&アンディ・ウォシャウスキー兄弟(当時。その後2人とも性別適合手術を受けてラナ&リリー・ウォシャウスキー姉妹)に当時感動したものです。
このVFX技術。画期的な手法なのですが、問題としては
・映像の長さが固定できるカメラの台数に制限される
・固定するための台が必要で時間と費用がかかる。
などの問題がありました。

現在ではデジタル技術が発展しており、専用のスタジオもあります。俳優を予め、とってけば360度の角度から撮影したような処理が可能になっています。
そういった意味では「タイムスライス」はお金をかければCMにでも応用できる身近な技術になってしまいました。
「タイムスライス」は映画「マトリックス」を象徴する技術ですし、作中で使われなかったら逆に驚きですし残念な気持ちになってしまいますがすでに珍しい技術でも新規性のある技術でもなく「コモディティ化した技術」になっているのです。

俳優さんについて

キアヌ・リーヴスキャリー=アン・モスはお馴染みの通り。

モーフィアス
ローレンス・フィッシュバーンヤーヤ・アブドゥル=マーティーン2世

エージェントスミス
ヒューゴ・ウィーヴィングジョナサン・グロフ

モーフィアスは脚本の段階から変更予定だったらしいのですが、ヒューゴ・ウィーヴィングは、脚本の読み合わせ段階では参加していたらしいです。その後の都合で変わったらしいのですが、できればヒューゴでいて欲しかったな。

映画「マトリックス リザレクションズ」パンフレット 特別版は

「マトリックス リザレクションズ」のパンフレットは通常版と特別版があります。
特別版には押井守監督のコメントやコラムがたくさんついています。
押井守監督の作品は映画で言えば「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」や「パトレイバー」も有名ですが、海外では特に「攻殻機動隊」の評価が高く(最近「攻殻機動隊 GOHST IN THE SHELL:SAC-2045 持続可能戦争」というタイトルの新作映画が11月12日から期間限定で公開されました。記事はリンクから)、「マトリックス」にはその「攻殻機動隊」の影響を受けている(例えば、銃弾で柱がぼろぼろと崩れていくシーンだったり)ことをウォシャウスキー兄弟自身が語っており、押井守監督とウォシャウスキー監督は実際に会ったことがあうようです。
「押井守監督が語る~」として、「マトリックスの思い出」、「ウォシャウスキー兄弟」、「ハリウッド実写映画とアニメーション」など様々なコラムが面白く読ませていただきました。
往々にしてパンフレットというのは映画好きが買うもので通常版と特別版がある場合、特別版の方が出るらしいですが、私も、特別版がお勧めです。

ともかく映画「マトリックス リザレクションズ」に興味がある方はご自身で観られて評価してみてみて下さい。