TBS 日曜劇場「日本沈没」が話題になってますよね。2006年に上映された「日本沈没」も素晴らしい映画でした。

2021年11月27日SF映画TBS,地震映画,小松左京,日本沈没,東宝映画,柴咲コウ,樋口真嗣監督,草彅剛

2021年10月10日より、TBS系列で「日本沈没-希望のひと-」が放送されています。
主演の小栗旬、かっこいいですよね。
この「日本沈没」って、日本のSF小説の大家「小松左京」氏が1973年に発表した同名の小説「日本沈没」が原作になります。
私は、小学生の高学年から中・高校生にかけて推理小説、SF小説、ファンタジー小説を読みまくっていたので当然このSF界の名作も読んでいたのですが中々衝撃的なテーマでしたね。だって今、住んでいる日本が沈んでしまうんですから。

今、放送されている「日本沈没-希望のひと-」は原作小説と同様「日本が沈没するという未曽有の大災害にどう立ち向かうか」という一点は共通しているもののその詳細については内容が異なります。
現代っぽいとも言えるしその辺は単に焼き直しより多いに楽しめると思っています。

過去「日本沈没」は映画化とTVドラマ化を2度ずつ公開されています


今回のTVドラマ放送も含めると、この「日本沈没」はTVドラマで1974年と今回、2021年。映画では1973年と2006年に上映されています。映画化に絞って言うと私は1973年版は見ていませんが、2006年版については劇場で見ました。
とてもいい映画でした!

という訳で今回おすすめしたい映画はこの

2006年度版「日本沈没」です!

TBSが20億円の製作費を投じて、東宝配給で上映。結果、興行53億円の大ヒットでした!

主人公の小野寺俊夫役は草彅剛」さんです。(原作では主人公は深海潜水艇《わだつみ6500》のパイロット。草彅剛さんはこの当時良くドラマに出ており演技がうまいとの評判がありました)
ヒロインの阿部玲子役は「柴咲コウ」さんです。原作小説の阿部玲子はどっかの大企業かどこかの令嬢だったと思いますが2006年度版「日本沈没」では東京消防庁のハイパーレスキュー隊隊員です。

2006年版「日本沈没」とオリジナル原作小説と最大の違いは人間ドラマをより描いている点でしょうか。こちらでは小野寺と玲子との恋愛劇がかなりクローズアップされていました。
それがSFファンのみならず、多くの観客の共感を呼び大ヒット映画につながったのだと思います。
元々の小松左京氏のSF小説って私のイメージだと海外のSF作家になぞらえるとアイザック・アシモフ的というか少しドライな感じがあるんですよね。そこをいい具合にアレンジされていました。

それとこれは私の全く個人的な理由なのですが、私が2006年版を推す理由は、柴咲コウさんは好きな女優だということです。
この映画だったか、他の映画だったか忘れましたが映画の公開初日にタレントさんが来て挨拶するイベントがあって柴咲コウさんをまじかに見る機会に預かりました。なんか天然ボケ系っていうかいい感じの雰囲気でしたね。他のタレントさんも来ていたはずですが、柴咲コウさんしか覚えてないので何の映画だったかはっきり言えないのですが。

脇を固める俳優としては、小野寺の同僚の結城達也が及川光博さん。なんと地震学者田所博士(田所博士はどのドラマや映画でも田所博士)はトヨエツこと豊川悦司さん。2021年TV版では香川照之さんが演じられいい味を出しまくっていますね。
面白いのは2006年版の内閣官房長官 野崎亨介役の國村隼さん。今放送されている2021年TV版では田所教授と対立する世良教授役として國村隼さんが演じているので、2006年映画版でも2021年TV版でも両方で出演されていることになります。

そんな訳で2006年「日本沈没」をおすすめする人はこんな人です

・未曽有の国難に立ち向かうヒューマンドラマを見たい方
・SF原作の映画が好きな方
・柴咲コウさんが好きな方
・草彅剛さんが好きな方
・小松左京氏の小説が好きな方


逆に上記の項目が苦手な方にはおすすめ映画ではないかも知れません。

監監督は樋口真嗣氏です

樋口真嗣監督は、「ゴジラ(84)」で造形助手として参加。
その後、GAINAX初のTVシリーズ「ふしぎの海のナディア」で絵コンテ、後半は監督として参加。
(GAINAXはあの庵野監督のスタジオ)
「ガメラ」シリーズを手掛けたり「新世紀エヴァンゲリオン」に絵コンテや脚本で参加。
05年「ローレライ」で初の長編作品の監督デビュー。
06年「日本沈没」の後は「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」、「のぼうの城」「シン・ゴジラ」を監督しています。
「のぼうの城」は、大群の豊臣軍に対抗した小田原北条氏の一支城での抵抗の様子を戦争映画でありながら楽しさもありの素晴らしい映画でしたし、2016年の「シン・ゴジラ」も庵野総監督とタッグを組んだ素晴らしい作品でした。

ゴジラやガメラで特撮を手掛けてきたことが、「日本沈没」の壊れた都市の風景、とりわけ折れた東京タワーであったり、半壊した清水寺といったカタストロフの中でも、そこはかな美しさも伴う風景を描くことができたのかも知れません。

パンフレット評価  ★5つ(なかなかいいパンフレットですよ)

・イントロダクション
・キャラクター(人間相関図)
・ストーリー
・監督インタビュー
・キャストインタビュー
・ストーリー2
・現場撮影レポート
・コラム(日本沈没は本当にあるのか)
・「日本沈没」ポスターイラスト
・コラム
・スタッフコメント
・エンドロール
・商品紹介

この記事で紹介しきれたかどうか分かりませんが、「日本沈没」中々いい映画です。
TVドラマの他にこちらも見てみるというのもいいかも知れませんよ。

因みに日本沈没はありえるのか?

この映画が上映された当時は「ユージン・コックス博士」の予測では太平洋プレートの沈み込みで蓄積されたメガリスが崩落し数十年の時間をかけて沈むシナリオがあり得るとの説がありましたが、現在の説では何百万年、何千万年かけてゆっくりと沈むことは大陸移動の中であり得るが、こんな短時間ではないとのことなのでご安心下さい。

「日本以外全部沈没」という筒井康隆氏が小松左京氏の許可を得て書いたパロディ(短編)小説があり、映画化もされました。なかなか面白いので余裕があればこちらもお試しあれ。